観光業関連業務

観光業関連業務

観光産業全般の許認可申請をお手伝いします

当事務所代表の原は、海外旅行No,1旅行会社H.I.S.の出身です。
総合旅行業務取扱管理者の資格を持つ行政書士が、経験と知見も活かし、次のようなご相談に応じます。

 

 

○旅行業登録申請
○貸切バス事業許可申請
○飲食店営業許可申請
○旅館業許可申請
○住宅宿泊事業者(民泊のオーナー)届出
○住宅宿泊管理業者(民泊の管理業者)の登録
○住宅宿泊仲介事業者(民泊の手配業者)の登録
○海外の観光関連業者との取引


旅行業登録

 

旅行業登録の申請手続きについてご説明いたします。

旅行業の区分

まずは、旅行業法における旅行業の区分ですが、第1種から第3種旅行業者のほか、地域限定旅行業者、旅行業代理業者などがあります。下図をご覧ください。

 

(図1)旅行業等の登録区分
出所:観光庁ホームページから

 

募集型企画旅行というのは、あらかじめ企画したツアーを不特定多数のお客様に販売するもので、イメージとしては、パッケージツアーを企画してパンフレットを作成している旅行会社です。国内旅行のみ取り扱う場合は第2種旅行業者、海外旅行も取り扱う場合は第1種旅行業者の登録となります。

 

一方、受注型企画旅行というのは、特定のお客様向けオーダーメードで企画した旅行のことです。この場合、国内なのか海外旅行なのかは問われません。

 

上図の第3種旅行業者地域限定旅行業者の表に△のマークがありますが、これは、営業所のある市町村とそれに近接する市町村の区域内の日程のものに限り実施・取扱いが可能というものです。例えば、東京都小金井市に営業所がある会社の場合、小金井市に近接する三鷹市、武蔵野市、西東京市、小平市、国分寺市、府中市、調布市に渡る日程が可能ということです。観光庁から出ている案内も参考にしてください。こちらです。

 

また、他社の募集型企画旅行商品を代売することだけを業務とするのであれば、旅行業者代理業となります。

 

ここで、旅行業者の数について見てみますと、全国では2016年4月1日の時点で次のようになっています。

 

  • 第1種旅行業者登録数   708社(前年比11社増)
  • 第2種旅行業者登録数 2,827社(前年比51社増)
  • 第3種旅行業者登録数 5,668社(前年比144社増)
  • 地域限定旅行業者登録数  118社(前年比41社増) 
  • 旅行業者合計     9,321社(前年比247社増)
  • 旅行業者代理業者登録数  779社(前年比31社減)
  • 総合計       10,100社(前期比216社増)

 

ところで、平成30年1月4日の改正旅行業法の施行により始まった新制度である、旅行サービス手配業(ランドオペレーター)について少しご説明いたします。

 

旅行サービス手配業とは、報酬を得て、旅行業者(外国の旅行業者を含む)の依頼を受けて、日本国内において、旅行者に対する運送等サービス又は運送等関連サービスの提供について、これらのサービスを提供する者との間で、代理契約・媒介・取次を行なうこととされています。この事業についても、登録の申請が必要となります

 

以上のように、旅行業といってもいくつもの種類がありますので、どの種類の登録を目指すのかが最初の課題となります。

登録申請に必要な書類

旅行業登録を申請する場合、下記の書類を提出することになります。(東京都の場合です。都道府県によって若干の相違があります)

  1. 登録申請書 記入例はこちらです。
  2. 定款又は寄附行為(財団でも可能です)定款の目的欄には、「旅行業」又は「旅行業法に基づく旅行業」と書いてあることが必要です。
  3. 登記簿謄本(法人の場合)又は住民票(個人事業者の場合)
  4. 宣誓書(法人の場合は監査役も含めた全員分、個人事業者は事業主本人分)
  5. 旅行業務に係る事業の計画 様式はこちらです。「10 手配の確実性を証する契約先」欄に係る契約は、その契約書の写しを添付します。
  6. 旅行業務に係る組織の概要 記入例はこちらです。
  7. 法人の場合ー財務諸表(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、勘定科目内訳明細書)及び法人税確定申告書 
  8. 個人事業主の場合ー財産に関する調書 (預金残高証明書、不動産所有の場合は固定資産評価証明書)
  9. 旅行業務取扱管理者選任一覧表 記入例はこちらです。※管理者の宣誓書(役員が兼務の場合は省略可)、履歴書 記入例はこちらです。 ※旅行業務取扱管理者試験合格証の写し(又は資格認定証の写し) ※定期研修修了証の写し(研修未受講の場合は受講についての誓約書)宣誓書の様式はこちらです。
  10. 旅行業協会の入会確認書 登録と同時に旅行業協会の会員となる予定の場合、日本旅行業協会又は全国旅行業協会から入会確認書或いは入会承認書を入手します。
  11. 事故処理体制の説明書 記入例はこちらです。
  12. 標準旅行業約款 表紙の様式はこちらです。

登録の要件

旅行業の新規登録に当たっての要件についてご説明します。前提として、第2種、第3種、そして地域限定旅行業で、東京都の場合です)

まず、主たる営業所の所在地が、東京都内にあることです。

次に、法人の場合、定款・登記簿謄本共に、目的は必ず「旅行業」又は「旅行業法に基づく旅行業」にすることです。そして、商標は既存旅行業者との類似商号を避けるため、申請書を提出する前に、東京都産業労働局観光部振興課旅行業担当宛に電話等で確認しましょう。

次に、財産的基礎として、基準資産額が、@第2種旅行業の場合は700万円以上、A第3種旅行業の場合は300万円以上、B地域限定旅行業の場合は100万円以上あることとされています。

基準資産額は、申請前直近の事業年度における確定決算書から算出するのですが、算出式は、基準資産額={(資産の総額)−(創業費その他の繰延資産)−(営業権)ー(不良債権)}ー(負債の総額)−(所要の営業保証金又は弁済業務保証金分担金)です。イメージとしては、実質的な純資産額です。

最低営業保証金は、旅行業協会に加入しない場合に供託する金額で、第種旅行業ですと1,100万円、第3種旅行業だと300万円、地域限定旅行業は15万円必要です。

一方、最低弁済業務保証金分担金は、旅行業協会に加入した場合に必要な金額で、第2種旅行業だと220万円、第3種旅行業は60万円、地域限定旅行業は3万円となります。

旅行業協会については、旅行業登録と同時に加入する予定の場合、事前に旅行業協会から「入会確認書」あるいは「入会承認書」を入手しておくことが必要です。

次の要件としては、総合又は国内の旅行業務取扱管理者を選任することです。@1営業所につき1人以上の旅行業務取扱管理者を選任すること(常勤専任で就業すること)、A海外旅行を取扱う営業所については、必ず総合旅行業務取扱管理者を選任すること、B従業員10人以上の営業所においては、複数の旅行業務取扱管理者を選任することとされています。

以上が、新規登録申請に当たっての要件となります。これをクリアすれば登録決定されることになります。

申請から登録までは、30〜40日の標準処理期間とされています。登録が決定すると、14日以内に供託済み届出書又は納付書を東京都へ提出することになります。また、登録手数料9万円を観光部振興課に納付します。更に、登録票・旅行業務取扱料金表を掲示してから、営業開始となります。

 

旅館業許可

旅館業

旅館業については、旅館業法というものがあります。これによると、旅館業とは、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業と定義されています。従って、宿泊料を徴収しない場合は旅館業法の適用を受けません。

そして、旅館業には以下の3つの種類があります。

@旅館・ホテル営業 −−宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、AB以外の施設です。

A簡易宿所営業 −−客室を多人数で共用する宿泊施設です。カプセルホテルや山小屋などが当てはまります。当然宿泊料を受けます。

B下宿営業 −−1か月以上の期間を単位とする宿泊施設のことです。こちらも宿泊料を受けます。但し、宿泊者が生活の本拠を置くような場合、例えばアパートとか間借り部屋などは、貸室業・貸家業でありますので、旅館業とはなりません。

上記3つ全てが旅館業です。旅館業の営業の許可は、各都道府県知事の許可を受ける必要があります。(保健所設置し又は特別区にあっては市長又は区長です)

ここで少し「民泊」について述べておきますと、民泊という言葉は法令上の明確な定義はありませんが、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業・事業のことです。これらの営業を行うためには、「旅館業」の許可を取得するか、施行後数年が経った「住宅宿泊事業法」に基づく住宅宿泊事業の届出をする必要があります。

「住宅宿泊事業」とは、旅館業者以外の方が、宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業のことで、人を宿泊させる日数が1年で180日を超えないものとされています。つまり、それを超えてしまう場合は旅館業の許可を取得する必要があるということです。

日本への外国人旅行者数が年間3,000万人を超え、全国的にホテルをはじめとした宿泊施設の開設が盛んですし民泊も増えている状況です。これから新しくゲストハウスや民泊を始めようとされる方も多いと思いますが、そのために必要な許可や届出があることは心得ておきましょう。

旅館業許可申請

旅館業の許可申請についてご説明します。尚、都道府県、市町村ごとの条例により条件が変わってきますが、ここでは東京都多摩地域の場合を前提にご説明いたします。

旅館業の営業許可については、申請場所・構造設備について、図面等の資料を持参して、事前に保健所に相談することから始まります。

また、旅館業の施設は、新設・既存にかかわらず、消防法、建築基準法、都市計画法といった旅館業法以外の法令にも関係している場合がほとんどです。関係法令を所管している部署にも事前に相談にいきましょう。東京多摩地域の場合、下記の通り、多くの関係機関に相談することになります。

出所:東京都西多摩保健所 旅館業のてびき

出所:同上

事前相談の次は申請手続きですが、許可申請時に必要な書類は下記のとおりです。

@ 旅館業営業許可申請書  

A 申告書 人的要件に関して欠格事由に該当しないことを申告するものです。

B 見取図(半径300メートル以内の住宅、道路、学校等が記載されたもの)

C 配置図、各階平面図、正面図、側面図

D 配管図(客室等にガス設備を設ける場合)

E 定款又は寄附行為の写し(法人の場合)

F 申請手数料  旅館・ホテル業 30,600円  簡易宿所営業・下宿営業 16,500円

G 登記事項証明書(法人の場合、6か月以内に発行されたもの、原本)

H 旅館業を営もうとする施設について土地及び建物に係る登記事項証明書、賃貸借契約書の写しその他の旅館業を営むために必要な権原を有することを示す書類

許可が必要な施設

旅館業法の許可が必要な施設とはどういうものかについて、ご説明します。

旅館業法の許可が必要な施設は、下の4つの項目のすべてに当てはまる場合です。

@ 宿泊料を受けていること = 「宿泊料」として受けていなくても、「電気・水道等」の維持費としての名目でも、事実上の宿泊料として考えられるため、該当します。

A 寝具と使用して施設を利用すること = 宿泊施設が用意した布団はもちろん、宿泊者が持ち込んだ寝具でも該当します。

B 施設の管理・経営形態が総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含めて、施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあるものと認められること = 宿泊者が簡易な清掃を行っていても、施設の維持管理において、営業者が行う清掃が不可欠となっている場合も、維持管理責任が営業者にあると考えられます。

C 宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として、営業していること = その施設で生活をしているか否かによって判断されます。ウイークリーマンションも旅館業の許可が必要になります。

会員制の宿泊施設や企業の研修所であっても、上記の4つの項目に全て該当する場合は、旅館業法に基づく許可が必要になることがあります。あらかじめ保健所に相談すると良いでしょう。

客室面積

旅館業の許可における、客室の面積についてご説明します。

まず、客室とは、睡眠、休憩等宿泊者が利用する場所をいい、壁やふすまなどによって区画されたものをいいます。例えば、浴室、トイレ、洗面所は客室ですが、床の間や押し入れ、共通の廊下、共有の設備などは客室とは言いません。

次に、旅館業法施行細則の第9条第1項と第2項には、客室の構造部分の合計床面積の基準が示されています。それによると、旅館・ホテル営業では、7u以上(ベッドを置く場合は9u以上)簡易宿所営業では、33u以上(宿泊者の数(2人以上)を10人未満とする場合は、3.3uにその宿泊者の数をかけた面積以上)とされています。

構造部分の合計床面積は、寝室、浴室、トイレ、洗面所その他宿泊者が通常立ち入る部分の床面積を合計した面積です。床の間、押し入れ、クローゼットなど、通常は立ち入らない部分については算定から除きます。

面積の算定では、建築で使用する壁芯(へきしん)のものとは違い、内法(うちのり)で算定します。壁芯とは壁や柱の中心を基準として図る方法です。それに対して内法とは、壁や柱の内側から測る方法です。従って、内法の算定結果は壁芯のものよりも少ない数値となります。つまり、構造部分の床面積、建築図面の床面積よりも少なくなります。

トイレの設置について

旅館業許可に関するトイレの設置についてご説明します。

まず、旅館業法施行令第1条には、旅館・ホテル営業と簡易宿所営業ともに、「適当な数の便所を有すること」と規定されています。

また、東京都の旅館業法施行条例では、トイレについては次の基準によることとされています。

イ 防虫及び防臭の設備並びに手洗い設備を有すること

ロ 宿泊者等の利用しやすい位置に設けること

ハ 共同便所を設ける場合は、男子用、女子用の別に分けて、適当な数を備え付けること

二 便所を付設していない客室を有する階には、共同便所を設けること ⇒「共同便所」については、その階において宿泊客専用の共同便所を男女別に分けて設置する必要があります。男子用便所に設置される便器は、大小を兼ねた便器でも構いません。

簡易宿所営業におけるトイレについては、1客室のみの営業であっても、多数人での共用という利用形態ですので、男女別の共同便所が少なくともそれぞれ1か所以上必要となります。

また、1客室のみの旅館・ホテル営業施設におけるトイレについては、客室の外にしかトイレがない場合であっても、そのトイレが客室から利用しやすい位置にあり、かつ、戸建て住宅等の居住者との移動動線等を踏まえて宿泊客専用のトイレとみなせるとき、その客室はトイレを付設している客室とみなすことができます。トイレの位置が客室の上下の階に設置されている場合も、利用しやすい位置とされます。

次に、「共同便所」に関しては、旅館・ホテル営業では、トイレを付設していない2つ以上の客室の場合、男女別に分けた共同便所が必要になります。但し、1棟貸切でトイレを付設している施設であったり、1フロア貸切でそのフロアにトイレを付設している施設であれば、共同便所が不要となります。一方、簡易宿所営業では、多数人で共用する客室の場合は、男女別に分けた共同便所が必要です。そしてトイレを付設していたり、多数人で共用しない客室であれば、共同便所が不要となります。

フロントの設置について

旅館・ホテル営業の施設については、フロント(玄関帳場)に関する規定があります。(簡易宿所営業や下宿営業では適用はありません)

 

例えば、厚生労働省令である旅館業法施行規則には、以下のいずれにも該当することとされています。

 

@ 事故が発生した時その他の緊急時における迅速な対応を可能とする設備を備えていること

 

A 宿泊者名簿の正確な記載、宿泊者との間の客室のカギの適切な受渡し及び宿泊者以外の出入りの状況の確認を可能とする設備を備えていること

 

また、東京都の旅館業法施行条例では、「宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場(フロント)を設ける場合は、宿泊しようとする者の利用しやすい位置とし、受付等の事務に適した広さを有するものとすること」とされています。

 

考え方としては、フロントを設置する場合は、施設の出入り口又は宿泊者が施設を利用するときに必ず通過する通路に面して設置して、結果、営業する者と宿泊者が必ず応接できる構造にする必要があるということです。従いまして、営業者が宿泊者と全く応接せずに、宿泊者が客室に自由に出入りできる構造では、認められないことになります。

 

また、フロントを設けずに、タブレット端末やテレビ電話機等のICT機器(情報通信技術)などの設備を設ける場合は、以下の点に注意する必要があります。最近のロボットを利用したホテルなどはこれに当たります。

 

@ 宿泊者に緊急を要する事態等が発生した際に、宿泊者が施設従業員や管理会社等に緊急通報するために、客室、通路等に電話機等の通信設備を設置する。また、宿泊者からの求めに応じて、施設従業員・管理会社が徒歩・車等の手段を用いて、おおむね10分程度で職員等が駆けつけることができる体制を整えている。

 

A 施設従業員等が宿泊者の顔、宿泊者名簿の正確な記載を画像により鮮明に確認するため、施設等にテレビ電話やタブレット端末を備え付けている。

 

B 宿泊者がスマートフォン等を使用して客室等のカギの開閉を行うシステム(スマートロック等)を設置している。

 

C 宿泊者の本人確認や宿泊者以外の出入りの状況確認を、鮮明な画像により常時確認することができるビデオカメラ等を設置している。

施設名称の掲示について

東京都の旅館業法施行条例では、施設名称の掲示について次のように規定しています。

「営業施設には、公衆の見やすい場所に、施設の名称を掲げること」

考え方としては、施設名称の表示については、公衆がその施設を認識できる程度の標識にする必要があります。既存の看板や表札でも構わないのですが、旅館業法における営業施設であることが認識できるものが望ましいとされています。

また、分譲マンションの1室など建築物の一部分で営業する施設については、郵便受け等に表示するなど、複数個所に表示することが望ましいとされています。

次に、許可申請施設の設置場所が、下記施設の敷地の周囲おおむね100メートルの区域内にある場合、旅館・ホテルの設置によって清純な施設環境が著しく害される恐れがないかどうかについて、保健所から下記施設を所管・監督する関係機関に対し、意見を照会することになっています。

@ 学校教育法に規定する学校(大学を除く)及び就学前の子供に関する教育・保育等の推進に関する法律に規定する幼保連携型認定こども園

A 児童福祉法に規定する児童福祉施設

B 社会教育法に規定する社会教育に関する施設その他の施設で、都道府県の条例で定めるもの(例えば、各種学校、図書館、主に児童が利用する施設など)

詳細は、保健所まで問い合わせてみてください。



申請・届出手続

旅館業の各種申請・届出手続きについてご説明します。

まず、新規営業許可申請が必要なケースは次の通りです。

  • 新規旅館の建築の場合
  • 営業者の変更の場合(例えば、個人事業者から法人へ変更の場合又はその逆の場合や、A法人からB法人への変更の場合など)
  • 施設を移転する場合
  • 施設を大規模に増改築する場合
  • 営業種別を変更する場合(例えば、旅館・ホテル営業から簡易宿所営業へ変更するなど)

新規の営業許可申請をしようとする場合は、必ず事前に保健所に相談しましょう。

次に、変更届を出す必要がある場合は次の通りです。

  • 施設の名称を変更する場合
  • 営業者の所在地を変更する場合
  • 法人の名称・所在地・代表者・役員を変更する場合
  • 施設を増改築する場合
  • 管理者を変更する場合(管理者の資格は特に必要ありませんが、営業施設の衛生管理が適切に行われるようマニュアル等の作成や従業員に対する教育など、責任があります。)

変更届は、変更後10日以内に届出が必要となります。また、変更した内容の分かる書類を準備しておきましょう。例えば、履歴事項全部証明書や施設設備図面などです。

次に、承継承認申請を提出する場合もあります。

例えば、営業者(個人)が死亡して、承継人が相続した場合ですが、営業者の死亡後60日以内に申請する必要があります。申請時に必要な書類は、戸籍謄本(被相続人及び相続人全員の関係が分かる戸籍の全部事項証明書)、相続人全員の同意書(相続人が2人以上の場合)などです。手数料が9,700円かかります。

また、営業者(法人)が、合併または分割により承継する場合は、事前に「承継承認申請」の手続きを行う必要があります。申請時に必要な書類は、定款又は寄附行為の写し、履歴事項全部証明書(但し合併または分割登記後)、役員全員の申告書などです。手数料は、9,700円かかります。

最後に、廃止届(停止届)については、営業の全部もしくは一部を廃止・停止した場合に届け出ます。廃止(停止)後、10日以内に届出することになります。

いずれの場合も、不明点は保健所に問い合わせてみましょう。

旅館業の維持・管理

旅館業許可を取得してからの事についてご説明します。
長く旅館・ホテル営業や簡易宿所営業などを行っていくためには、まずは法令等に定められた内容に沿って営業をしていく必要があります。

旅館業法第4条は、旅館業の営業者は宿泊者の衛生に必要な措置を講じなければいけないと定めています。法令等で定められている内容は次の通りです。

まず、管理・帳簿類に関しては、以下のようなものです。

宿泊者名簿を揃えること

  • 宿泊者名簿が必要な理由は、感染症が発生した時や感染症患者が宿泊した時に、その感染経路を調査するために規定されているものです。
  • 必要な項目は、氏名、住所、職業、性別、年齢、前泊地、行先地、到着日時、出発日時、室名です。
  • 日本国内に住んでいない外国人宿泊者の場合は、国籍、パスポート番号についても記載が必要です。この場合、パスポートのコピーを名簿に添付し一緒に保管します。パスポート番号等の記入については、テロ対策の一環で規定されています。
  • 作成日から3年間保存します。
  • 営業施設又は営業者の事務所に備えておきます。

営業施設ごとに管理者を置くこと

  • 管理者の資格は特に必要ありませんが、営業施設の衛生管理が適切に行われるようマニュアル等の作成や従業員に対する教育などの責任があります。

営業施設には、公衆の見やすい場所に施設の名称を掲示すること

  • 建築物の一部分で営業する施設については、公衆施設を認識できるように郵便受け等に表示する等、複数個所に表示するようにしましょう。

次に、緊急時の対応に関しては、以下のようなものです。

事故が発生した時その他の緊急時における迅速な対応を可能とする体制をとること

  • 「迅速な対応を可能とする体制」とは、宿泊者が緊急通報する為に施設内の各所(客室・通路・浴室・トイレ等)に設置された通信設備(直通電話機、緊急ボタン等)により、施設従業員又は管理会社等が徒歩、自転車、バイク、クルマ等により、おおむね10分程度で駆けつけることができる体制のことです。

次に、客室に関しては以下のようなものです。

客室にガス設備を設ける場合の措置

  • 宿泊者の見やすい箇所に、元栓の開閉時刻及びガスの使用方法についての注意書を提示しておくこと
  • 元栓は、各客室の宿泊者の安全を確かめた後でなければ開放しないこと

寝具類の措置

  • 布団及び枕には、清潔なシーツ、布団カバー、枕カバー等を用いること
  • シーツ、布団カバー、枕カバー及び寝間着は、宿泊者ごとに交換し、洗濯すること
  • 布団及び枕は、適切に選択・管理等を行うこと
  • 寝具は収納室等の収納設備に衛生的に保管すること

客室、脱衣所等に、くし、コップ等を備え付ける場合には、清潔なものとし、宿泊者ごとに取り替えること

  • 宿泊者ごとに洗浄・消毒したものを提供しましょう

次に、洗面所に関しては以下の通りです。

洗面所およびトイレの手洗い設備には、清浄な湯水を十分に供給するとともに、石鹸、ハンドソープ等を常に使用できるように備えること

また、トイレに関しては以下のようなものです。

トイレに備え付ける手ぬぐい等は、清潔なものとし、宿泊者ごとに取り替えること

  • 共用の手ぬぐいを置かないこととされています

次に、飲用水等に関してです。

浴室の湯栓・水栓、洗面所、トイレの手洗い設備への清浄な湯水の供給その他飲用水等の衛生確保については関連法令及び要綱に従って管理することになります

  • 原水の種類や貯水槽の有無などによって該当する法令等が異なります。建築物衛生法の対象となる特定建築物の場合は建築物環境衛生管理基準に従って管理する必要があります。種別や管理方法については保健所に問い合わせてみましょう。

水道水以外の水を飲用等に使う場合は消毒や水質検査を行う必要があります

  • 検査項目は保健所に問い合わせてみましょう。

次に、貯湯槽に関しては以下のようなものです。

温泉をタンクに貯める場合の維持管理について(温泉以外の湯を貯める場合もこれに準じて管理します)

  • 貯湯槽内部の汚れ等の状況について随時点検すること
  • 貯湯槽内部の清掃及び消毒は、1年に1回以上行う
  • 貯湯槽内の湯を60℃以上に保つこと。但し、これが難しい場合には、塩素系薬剤により湯の消毒を行なうこと→ 遊離残留塩素濃度0.4mg/L以上に保つこと

清掃、消毒、検査等の実施状況を記録し、3年間保存すること

湯栓及び水栓には、清浄な湯水を十分に供給すること

浴槽は、1日1回以上換水し、清掃すること →但し、1週間に1回以上の換水が認められる場合がありますので、詳細は保健所に相談してみましょう。

共同浴室にあっては、使用中は、浴槽を湯水で常に満たしておくこと

浴槽水を循環させる場合の管理

ここでいう「循環」には、ろ過器を使用しなくても、加温装置を経由させて循環している場合や、湯水を循環させて水流を発生させる装置がある場合も含まれます。

  1. ろ過器は、逆洗浄等及び内部の消毒を1週間に1回以上行う。
  2. 循環配管については、配管内部の消毒は、1週間に1回以上行う。
  3. 集毛器(ヘアキャッチャー)は、毎日清掃する。
  4. 浴槽水の消毒は、塩素系薬剤で消毒し、遊離残留塩素濃度を0.4mg/L以上に保つ。
  5. 水質検査は、浴槽水のレジオネラ属菌検査(基準:不検出であること)を1年に1回以上行いレジオネラ属菌が検出されないことを確認する。→循環系統が複数ある場合は、系統ごとに検査する必要があります。レジオネラ属菌とは、水が停滞あるいは循環する人工的な環境で大量に繁殖することがある細菌です。レジオネラ症は、感染症法の四類感染症に分類され、発熱や肺炎の症状が見られ、高齢者等は重症になると死亡することもあります。
  6. 記録については、清掃、消毒、検査等の実施状況を記録し、3年間保存すること。

最後に、施設全般に関しては、以下のようなものです。

善良の風俗が害されるような文書、図画その他の物件を旅館業の施設に掲示し、又は備え付けないこと

善良の風俗が害されるような広告物を掲示しないこと

施設の換気

  • 喚起のために設けられた開口部は、常に開放しておくこと
  • 機械換気設備を有する場合は、十分な運転を行うこと

採光及び照明は、施設内のそれぞれの場所で宿泊者の安全衛生上又は業務上の必要な照度を有するようにすること

防湿措置を講じること

  • 排水設備は、水流を常に良好にし、雨水及び汚水の排水に支障のないようにしておくこと

客室、応接室、食堂、調理場、配ぜん室、玄関、浴室、脱衣所、洗面所、トイレ、廊下、階段等は、常に清潔にしておくこと

まとめとして、旅館業許可を取得した後は、保健所職員が定期的に立ち入り、衛生的に管理されているか、変更事項の有無などについてチェックが行われます。良好な衛生管理はお客様に気持ちよく施設を利用していただくためのサービスの一つでもあります。

旅館業の許可を取得した後も、最低限法令に従って営業することが求められるわけです。

 

住宅宿泊事業

民泊新法のガイドライン

2018年の外国人訪日客数が3,000万人を超え、自宅を利用した民泊に興味をもつ方も多いのではないでしょうか。

民泊の場合、主な登場人物は宿泊者、住宅宿泊事業者、住宅宿泊仲介事業者、そして住宅宿泊管理業者です。

このうち、個人の住宅を民泊として提供する方を「住宅宿泊事業者」と呼びます。民泊新法では、この住宅宿泊事業者に係る制度が創設されました。

それによりますと、年間提供日数の上限は180日(泊)とし、都道府県知事への届出が必要となります。また、地域の実情を反映する仕組みも創設され、具体的には自治体による条例による規制も可能となっています。

家主には、例えば衛生確保措置や騒音防止のための説明、苦情への対応や宿泊者名簿の作成・備え付け、標識の掲示などが義務付けられています。

家主が不在の住宅の場合、上記の措置を「住宅宿泊管理者」に委託することが義務付けられています。

そして、都道府県知事は、住宅宿泊事業者に係る監督を実施することになっています。

このように、制度がはっきりと定められましたが、住宅宿泊事業法に係る解釈や留意事項をとりまとめたガイドラインも発表されています。

このガイドラインは、住宅宿泊事業法(民泊新法)に係る解釈・留意事項を取りまとめたものです。

まず、「住宅」の定義ですが、次の二つの要件いずれにも該当する家屋であることとしています。

一つ目は、台所・浴室・トイレ・洗面設備など、生活するために必要な設備があることです。

二つ目は、現に人が居住している家屋であるか入居者の募集が行われている家屋、或いは随時その所有者、賃借人又は転借人が居住している家屋であることです。

一つ目の「設備」について、これらの設備は必ずしも1棟の建物内にある必要はなく、例えば浴室のない「離れ」について、浴室のある同一敷地内の「母屋」と併せて一つの「住宅」として届け出ることは可能です。

また、いわゆる3点ユニットバスのように、一つの設備が複数の機能(浴室・トイレ・洗面設備)を有している場合でも、各設備を有していると見なされます。

各設備は一般的に求められる機能を有していればよく、例えば浴室については、浴槽がなくてもシャワーがあれば足り、トイレについては和式・洋式の別は問われません。

次に二つ目の「居住」に関しては、現に特定の人が継続して生活している家屋のことです。また、その家屋の所在地を住民票上の住所としている人が届出をする場合は、現に人が生活している家屋に該当しているといえます。

また、「入居者の募集が行われている家屋」とは、民泊事業を行っている間、売却または賃貸の形態で、人が居住するための入居者の募集を行っている家屋のことです。

そして、「随時その所有者、賃借人又は転借人が居住している家屋」の具体例として、@別荘等1年に数回程度利用している家屋、A転勤により一時的に居住地を移しているものの、将来的に再度居住するために所有している空き家、B相続により所有しているが、現在は常時居住しておらず、将来的に居住する予定である空き家、C別宅として使用している古民家などがあげられます。

要は、既存の家屋において、その所有者や賃借人等が使用の権限を有しており、少なくとも年一回以上は使用しているものの、生活の本拠としては使用していない家屋のことです。

一方、居住した履歴が一切ない民泊専用の新築投資用マンションは、これには該当しないので注意が必要です。

 

次に、住宅宿泊事業の定義についてご説明します。

まず、この法律において「住宅宿泊事業」とは、旅館業法に基づいて営業する人以外の方が、宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業です。そして、「人を宿泊させる日数」として、1年間で180日を超えないこととなります。180日はOKですが、181日では?となります。

1年間とは、毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までの期間です。

「人を宿泊させる日数」とは、住宅宿泊事業者(個人の住宅を民泊として提供する方)ごとではなく、届出をした住宅ごとに計算します。例えば、1軒の住宅について、年の途中で住宅宿泊事業者に変更があった場合でも、新しい住宅宿泊事業者は前の住宅宿泊事業者が人を宿泊させた日数を引き継ぐことになります。

また、日数の算定については、宿泊料を受けて実際に人を宿泊させた日数を計算するもので、宿泊者を募集した日数ではありません。

そして、「人を宿泊させる日数」は届出住宅ごとに計算するので、例えば複数の宿泊グループが同一日に宿泊したとしても、複数日ではなく、1日として計算します。

ところで、住宅宿泊事業(民泊事業)は、旅館業と異なり宿泊拒否の制限を課されていません。例えば宿泊の条件として、合理的な範囲で宿泊者に対して一定の要件を提示しても住宅宿泊事業法に反しません。しかし、宿泊拒否の理由が差別的なものである場合や偏見に基づくものである場合は社会通念上、不適切となることもあるので留意することが必要です。

 

住宅宿泊事業者の衛生確保措置と宿泊者の安全の確保

住宅宿泊事業(民泊事業)の、「衛生確保措置」と「宿泊者の安全の確保」について、ご説明します。

まずは、衛生確保措置についてです。

住宅宿泊事業法(民泊新法)では、届出住宅について、住宅宿泊事業者は、床面積に応じた宿泊者数の制限、定期的な清掃や宿泊者の衛生の確保を図るための措置をとることとされています。

居室の床面積は、宿泊者一人当たり3.3u以上を確保することが必要です。

また、居室の床面積には、台所や浴室、トイレや洗面所、廊下や押し入れ、床の間は含まれません。

そして、定期的な清掃と換気を行うこととされています。

次に、宿泊者の安全の確保についてです。

住宅宿泊事業法(民泊新法)では、住宅宿泊事業者は、届出住宅において、非常用照明器具の設置、避難経路の表示、災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るための措置を取らなければならないとしています。

但し、届出住宅が1戸建ての住宅や民泊が禁止されていないマンションの場合、家主が同居していて宿泊室の床面積が50u以下であれば、非常用照明器具の設置は不要です。

また、消防法令に基づいて規制を受ける場合や、市町村の火災予防条例に基づいて防火対象物使用開始届の提出が必要となる場合がありますので、届出の前に、建物の所在地を管轄する消防署などに確認する必要があります。

 

宿泊者の快適性と利便性の確保

住宅宿泊事業(民泊事業)の適正な遂行のための措置のうち、「外国人観光客である宿泊者の快適性と利便性の確保」について、ご説明します。

住宅宿泊事業法(民泊新法)では、住宅宿泊事業者は、外国人観光客である宿泊者に対し、以下のことを講じる必要があるとしています。

@届出住宅の設備の使用方法に関する案内を外国語を用いてすること

A移動のための交通手段に関する情報提供を外国語を用いてすること

これは、最寄りの駅等への経路と利用可能な交通機関に関する情報のことです。

B火災・地震その他の災害が発生した場合における通報連絡先に関する案内を外国語を用いてすること

これは消防署・警察署・医療機関・住宅宿泊事業者への連絡方法の情報を提供する事です。緊急時に速やかに確認できるものを備えておく必要があります。

C快適性と利便性を確保するための措置を行うこと

上記@からCまでの措置の実施にあたっては、必要な事項が記載された書面を居室に備え付けるほか、タブレット端末への表示などにより、外国人観光客である宿泊者が必要に応じて閲覧できるようにしておくことになります。

尚、宿泊予約の時点で、外国人観光客である宿泊者が、日本語を指定した場合は、外国語での案内は不要となります。

宿泊者名簿

「宿泊者名簿の備付け」について、ご説明します。

住宅宿泊事業者は、届出住宅又は事務所に宿泊者名簿を備えなければなりませんが、宿泊者名簿に記載しておく項目は次の通りです。

・宿泊者の氏名・住所・職業・宿泊日

・日本に住所を有しない外国人の場合、上に加えて国籍と旅券(パスポート)番号

宿泊者名簿は3年間保存し、都道府県知事から要求があった時には、これを提出する必要があります。

電子データで宿泊者名簿を作成・保管することもできますが、紙で出力できる状態にしておくことが必要です。

宿泊者名簿には、宿泊者全員を記載しなければならず、代表者のみを記載することはできません。また、宿泊グループごとに宿泊者が分かるように記載する必要があります。

宿泊者名簿は正確に記載されていることが必要ですので、住宅宿泊事業者は、宿泊が開始されるまでに、宿泊者全員について、本人確認をすることが求められています。

本人確認は、対面又は対面と同等の方法(届出住宅に備え付けたテレビ電話など)により行うことになります。

住宅宿泊事業者は、宿泊者に対して、宿泊者名簿への正確な記載を働きかけることで本人確認をすることになります。

また、日本に住所を有しない外国人宿泊者については、宿泊者名簿への国籍・旅券(パスポート)番号の記載を徹底し、旅券(パスポート)の呈示を求めるとともに、旅券(パスポート)の写しを宿泊者名簿とともに保存することが必要です。これにより、宿泊者名簿の氏名・国籍・旅券(パスポート)番号の欄への記載を代替することも可能となります。

尚、宿泊契約が7日以上となる長期滞在者の場合、不審な者が滞在していないか、滞在者が所在不明になっていないかについて、定期的な面会により確認することが求められます。

周辺環境への配慮

「周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関する必要な事項」の説明をします。宿泊者からの騒音で周辺住民の生活に影響が及ばぬよう、予防するための措置についてです。

住宅宿泊事業者は、宿泊者に対して、書面の備付けその他の方法により、以下のことを説明する必要があります。外国人宿泊者に対しては、外国語で説明することになります。

@騒音の防止のために配慮する事項 ⇒ 例えば、大声での会話を控えること、深夜に窓を閉めること、バルコニー等屋外で宴会を開かないこと、住宅内で楽器を演奏しないこと等が考えられます。

Aごみの処理に関して配慮すべき事項 ⇒ 宿泊中に出たごみは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に従い、住宅宿泊事業者が責任をもって処理しなければいけません。住宅宿泊事業者は、宿泊者に対して、所在する市町村の廃棄物の分別方法に沿って、住宅宿泊事業者が指定する方法によって捨てるべきであることを説明する必要があります。

B火災の防止のために配慮すべき事項 ⇒ 例えば、ガスコンロの使用のための元栓の開閉方法や注意事項、消火器の使用方法、避難経路、通報措置などが考えられます。

Cその他周辺地域の生活環境への悪影響を防止するために配慮すべき事項 ⇒ 例えば、性風俗サービスを届出住宅内で利用しないことなどが考えられます。

上記についての説明方法としては、必要な事項が記載された書面を居室に備え付けることや、タブレット端末での表示などとなります。。必ずしも対面での説明が必要というわけではありません。

この説明が確実に行わるように、居室内に電話を設置するなどして、事前説明に応じない宿泊客に対し注意喚起する必要があります。



苦情への対応

「苦情等への対応」について、ご説明します。

住宅宿泊事業者は、周辺地域の住民からの苦情及び問合せについては、適切かつ迅速に対応しなければいけません。

具体的には、次のような対応が必要となります。

・深夜早朝を問わず、常時、応対又は電話により対応する必要があります。

・宿泊者が滞在していない間も、苦情及び問合せについては対応する必要があります。

・誠実に対応することが必要であり、例えば、回答を一時的に保留する場合であっても、相手方に回答期日を明示した上で後日回答する等の配慮が必要です。

・滞在中の宿泊者の行為により苦情が発生している場合において、この宿泊者に対して注意等を行っても改善がなされないような場合には、現場に急行して退室を求める等、必要な対応を講じる必要があります。

・苦情及び問合せが、緊急の対応を要する場合には、必要に応じて警察署、消防署、医療機関等に連絡したのち、自らも現場に急行して対応することが必要です。

そして、住宅宿泊事業を行う旨の届出をするにあたって、周辺地域の住民に対して、事前に説明することが望ましいです。

このように、民泊事業を行うには、日常業務として様々な対応が求められます。この業務を「住宅宿泊管理業務」と呼びます。

そして、住宅宿泊事業者(民泊のオーナー)が住宅宿泊管理業務を、専門の業者へ委託する仕組みがあります。

専門業者への委託

住宅宿泊事業者は、次のいずれかに該当する場合、管理業務を住宅宿泊管理業者に委託する必要があります。

@届出住宅の居室の数が5部屋を超えるとき

A届出住宅に人を宿泊させている間、不在となるとき ⇒ 例えば、生活必需品の購入等、日常生活で通常行われる行為による不在の場合は「不在」とはなりません。一方、業務等により継続的に長時間不在となる場合は「不在」となります。不在の時間ですが、原則1時間となりますが、最寄り店舗の位置が遠かったり交通手段の状況が悪いときは、2時間までとされています。また、不在中においても、宿泊者の安全の確保に努めることとされています。そして、住宅宿泊事業者の代わりにその友人や親類の人が届出住宅にいたとしても、「不在」とされますので、注意が必要です。

管理業務を住宅宿泊管理業者に委託する場合は、1つの業者に委託しなければならず、2つ以上の業者に分割して委託することはできません。また、管理業務の一部を住宅宿泊事業者が自ら行うことも認められません。

住宅宿泊管理業者へ委託している間に、住宅宿泊事業者が不在にしなくてはならないということはありません。

次に、話は少し変わりますが、住宅宿泊事業者は、宿泊者との宿泊サービス提供契約を他人に委託するときは、専門の住宅宿泊仲介業者(例えばairbnbなど)又は旅行業者(例えばHISなど)に委託しなければいけません。

今では色々な会社が住宅宿泊仲介事業に参入していますので、選択肢は多いと思います。



標識の掲示

住宅宿泊事業者が行わなければいけない標識の掲示についてご説明します。

住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、見やすい場所に、下の図のような標識を掲げなければいけません。

標識は、門扉、玄関(建物の正面入り口)などの、地上1.2メートル以上1.8メートル以下で、公衆が見やすい位置に掲示します。

標識は、ラミネート加工など、風雨に強いものを掲示する必要があります。

尚、分譲マンションの場合は、標識の掲示場所等の取扱いについて、あらかじめ管理組合と相談する必要があります。

都道府県知事への報告

住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の15日までに、それぞれの月の前2か月における、次に掲げる事項を知事(権限委譲している市区においては、その市区長)に報告する必要があります。
・ 届出住宅に人を宿泊させた日数
・ 宿泊者数
・ 延べ宿泊者数
・ 国籍別の宿泊者数の内訳

この定期報告は、「民泊制度運営システム」をダウンロードしてから利用することになります。原則、このシステムを使用して報告します。ただし、自治体によっては独自の様式を定めている場合がありますので、情報の確認が必要です。

「民泊制度運営システム」を使うことができず、紙の定期報告を行う場合は、参考様式を使って報告することになります。 

以前ご案内した、住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者へ委託している場合、宿泊者名簿の記載を住宅宿泊管理業者が行うことになるので、情報の共有や提供について住宅宿泊管理業者と取り決めておくことが大切です。

 

飲食業許可

飲食業許可

飲食店営業、喫茶店営業を行う場合、食品衛生法に基づく営業許可が必要になります。ゲストハウスや民泊施設等宿泊施設で食事を提供する場合も、飲食店営業許可が必要です。

営業を行うには、まず、所管する保健所に営業許可申請を行い、都道府県が定めた施設基準に合致した施設をつくり、営業許可を取得することが必要です。

営業許可申請の手続きは、次のような流れで進みます。

1.事前相談 ⇒ 2.申請書類の提出 ⇒ 3.施設検査の打合せ ⇒ 4.施設完成の確認検査 ⇒ 5.許可書の交付 ⇒ 6.営業開始

1.事前相談

施設の工事着工前に施設の設計図等を持参して、事前に所管する保健所に相談します。また、施設ごとに食品衛生責任者をおかなければなりません。更に、貯水槽使用水(タンク水)や井戸水等を使用する場合、水質検査が必要です。食品衛生責任者の資格者がいない場合や水質検査が未検査である場合は、早めに準備しましょう。

※食品衛生責任者の資格について

  1. 栄養士、調理士、製菓衛生士、食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者若しくは船舶料理士の資格又は食品衛生管理者若しくは食品衛生監視員となることができる資格を有する者
  2. 食品衛生責任者の資格取得のための養成講習会修了者

2.申請書類の提出

書類は施設工事完成予定日の10日くらい前に提出しましょう。

申請の際に必要な書類は次の通りです。

【個人の場合】

  1. 営業許可申請書 1通
  2. 営業設備の大要・配置図 2通
  3. 許可申請手数料

【法人の場合】

  1. 営業許可申請書 1通
  2. 営業設備の大要・配置図 2通
  3. 許可申請手数料
  4. 登記事項証明書 1通

【個人・法人共通】

  • 水質検査成績書(貯水槽使用水、井戸水使用の場合)※許可後も、年1回以上水質検査を行い、成績書を保管すること。
  • 食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)

3.施設検査の打合せ

申請の際、保健所の担当者と、工事の進行状況の連絡方法や検査日等の相談をしましょう。

4.施設完成の確認検査

検査の際は、営業者が立ち会いましょう。尚、施設基準に適合しない場合は許可になりません。不適事項については改善し、改めて検査日を決めて再検査を受けることになります。

5.許可書の交付

施設基準適合後、保健所が許可書を作成しますが、交付までには数日かかりますので、開店日についてはあらかじめ保健所と打合せしておきましょう。営業許可所が交付されるまで、開店はできませんので注意しましょう。

6.営業開始

営業許可所受領の際は、印鑑が必要です。また、食品衛生責任者の名札を見やすい場所に掲示してください。名札の大きさは、10p以上(幅)×20p以上(高さ)です。

申請書類

飲食店営業許可に関して、営業許可申請書類の書き方等についてご説明します。

東京都多摩地域の場合(八王子市と町田市を除く)、事前相談・申請書類を提出す保健所は、こちらです。

営業許可申請書の様式はこちらです。黒のボールペンか万年筆でかい書で書きましょう。

個人が申請する場合の記載例は以下の通りです。

出所:東京都福祉保健局・保健所

法人が申請する場合、電話番号は本社の電話番号を、住所は登記上の本社所在地を記載します。

次に、営業設備の大要・配置図の書き方です。こちらが様式です。

営業設備の配置図記載例(飲食店営業)は以下のようなものです。

出所:東京都福祉保健局・保健所

営業設備の大要記載例は下記の通りです。

出所:東京都福祉保健局・保健所

尚、許可申請手数料について、東京都多摩地域・島しょ地域(八王子市と町田市は除く)はこちらです。

営業施設の基準

飲食店営業許可に関する営業施設の基準についてご説明します。

まずは、営業施設の構造についてです。

  • 場所  清潔な場所を選ぶ
  • 建物  鉄骨、鉄筋コンクリート、木造づくりなど十分な耐久性を有する構造
  • 区画  使用目的に応じて、壁、板などにより区画する
  • 面積  取扱量に応じた大きさ
  • 床   タイル、コンクリートなどの耐久性材料で排水が良く、清掃しやすい構造
  • 内壁  床から1メートルまで耐水性で清掃しやすい構造
  • 天井  清掃しやすい構造
  • 明るさ 50ルクス以上
  • 換気  ばい煙、蒸機等の排除設備(換気扇等)
  • 周囲の構造  周囲の地面は、耐水性材料で舗装し、排水が良く、清掃しやすい
  • ねずみ族、昆虫等の防除  ねずみ族や昆虫などの防除設備
  • 洗浄設備  原材料、食品や器具等を洗うための流水式洗浄設備。従事者専用の流水受槽式手洗い設備と手指の消毒装置
  • 更衣室  清潔な更衣室又は攻囲箱を作業場外に設ける

次に、食品取扱設備についてです。

  • 器具等の整備  取扱量に応じた数の機械器具及び容器包装を備える
  • 器具等の配置  移動しづらい機械器具等は、作業に便利で、清掃及び洗浄をしやすい位置に配置する
  • 保管設備  原材料、食品や器具類等を衛生的に保管できる設備
  • 器具等の材質  耐水性で洗浄しやすく、熱湯、蒸気又は殺菌剤等で消毒が可能なもの
  • 運搬具  必要に応じ、防虫、防塵、保冷のできる清潔な食品運搬具を備える
  • 計器類  冷蔵、殺菌、加熱、圧搾等の設備には、見やすい箇所に温度計及び圧力計を備える。必要に応じて計量器を備える。

次に、給水及び汚染処理についてです。

  • 給水設備  水道水又は飲用適と認められる水を豊富に供給できるもの。貯水槽は衛生上支障のない構造。但し、島しょ等で飲用適の水を得られない場合にはろ過、殺菌等の設備を設ける。
  • 便所  作業場に影響のない位置及び構造で、従事者に応じた数を設け、使用に便利なもので、ねずみ族、昆虫などの防除設備、専用の流水受槽式手洗い設備、手指の消毒装置を設ける。
  • 汚物処理施設  蓋があり、耐水性で十分な容量があり、清掃しやすく、汚液や汚臭が漏れないもの
  • 清掃器具の格納設備  作業場専用の清掃器具と格納設備

次に、飲食店営業に関しての特定基準です。

  1. 冷蔵設備  食品を保存するために、十分な大きさを有する冷蔵設備を設けること。
  2. 洗浄設備  洗浄槽は、2槽以上とすること。但し、自動洗浄設備のある場合、又は食品の販売に付随する者であって、当該食品の販売に係る販売所の施設内の一画に調理場の区画を設け、簡易な調理を行う場合で衛生上支障ないと認められるときは、この限りでない。
  3. 給湯設備  洗浄および消毒のための給湯設備を設けること。
  4. 客席  客室及び客席には、換気設備を設けること。客室及び客席の明るさは、10ルクス以上とすること。また、「食品の調理のみを行い、客に飲食させない営業については、客室及び客席を必要としない。尚、風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律または旅館業法の適用を受ける営業を除く。
  5. 客室便所  客の使用する便所があること。但し、客に飲食させない営業については、客用便所を必要としない。尚、客の使用する便所は、調理場に影響のない位置及び構造とし、使用に便利なもので、ねずみ族、昆虫等の侵入を防止する設備を設けること。また、専用の流水受槽式手洗い設備があること。



営業開始後のこと

飲食店営業許可に関して、営業開始後に必要な届出についてご説明します。

まずは、変更届出です。次のような変更が生じたときは、変更届に営業許可書を添えて、変更のあった日から10日以内に提出しましょう。尚、変更内容によって次の書類が必要です。

1.(個人)結婚、離婚等による改姓 ⇒ 戸籍抄本 1通 

  (法人)商号、代表者氏名の変更 ⇒ 登記事項証明書 1通

2.(個人)営業者住所(住まい)の変更 ⇒ なし

  (法人)本社所在地の変更  ⇒  登記事項証明書 1通

3.営業所の名称、屋号の変更 ⇒ なし

4.営業設備の大要の一部変更 ⇒ 変更部分を明らかにした図面、営業設備の大要・配置図 各2通

5.法人形態の変更 ⇒ 登記事項証明書 1通

※4.5は、変更の程度、状況により新たに営業許可が必要になりますので、事前に保健所に相談しましょう。

次に、廃業届です。次のような場合、廃業届に営業許可を添えて、10日以内に提出します。

1.営業を廃止した。

2.営業所を移転した。

3.営業者が変わった。

4.増改築等で営業設備が変わった。

※2.3.4は新たに営業許可が必要です。ただし、3で相続、法人の合併または分割の場合、場合によっては承継が認められますので、事前に保健所に相談しましょう。

その他 法令等で届出事項等があらかじめ定められているものがありますので注意しましょう。例えば、生食用カキ取扱い届、食品衛生管理者専任(変更)届、ふぐ取扱所確認書交付申請書、ふぐ加工製品取扱い届、生食用食肉の取扱い開始報告書等

更新  営業許可期限満了後も引き続き営業されるときは、期限満了前に許可更新の申請手続きをすることが必要です。許可期限満了日の約1か月前に下記書類を提出しましょう。

  1. 営業許可申請書
  2. 現に受けている営業許可書(営業設備の大要・配置図添付)
  3. 営業許可更新手数料
  4. 1年以内に行った水質検査成績書(貯水槽使用水、井戸水使用の場合)
  5. 食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)